会計に関する FAQ

Q:決算早期化のポイントは?

決算早期化を実現させた会社には、以下のような特徴があります。

単体決算の特徴

・決算期末後4日~8日程度で単体の試算表を完成させている。
・「単体→連結→開示」の各業務が、途切れることなく、連続した業務として実施されている。
・「会社の決算業務→監査法人による会計監査」が、途切れることなく、並行して実施されている。

連結決算の特徴

・単体決算が終了した直後、もしくは、単体決算と並行して、連結決算を開始している。
・連結精算表は、1~4営業日で作成されている。

開示業務の特徴

・決算短信の入力時点において、サポート資料(開示基礎資料)は全て作成している。

会計監査の特徴

・試算表作成完了の直後に会計監査が開始している。

経理部員の特徴

・経理部員の会計・税務に関する能力は高い。
・新会計基準や税制改正等について、随時キャッチアップできる体制が整えられている。

上記のような体制をとるためには、次に掲げる事項が大切になります。

経理業務のベルトコンベア化

経理業務の最終成果物が様々な成果物だとすれば、その最終成果物ができあがるまでの各担当者の業務プロセスが事前に明確になっており、各担当者の業務が標準化され、各担当者の業務から次の担当者への業務の流れが仕組み化されているかが重要になります。

経理業務のアウトプット業務や分析業務の実施

経理業務は、大きく分けると「日常業務」と「決算業務」の2つがあります。
「日常業務」はさらに、以下の4つに分けることができます。
 ・出納業務
 ・仕訳を入力する業務(以下「インプット業務」という)
 ・入力した仕訳の正確性を検証する業務(以下「チェック業務」という)
 ・入出金管理、債権債務管理等の管理業務
「決算業務」はさらに、以下の3つに分けることができます。
 ・決算資料を作成する業務(以下「アウトプット業務」という)
 ・それをもとに財務分析をする業務(以下「分析業務」という)
 ・各利害関係者に対して情報を提供(=報告)する業務(以下「開示業務」という)


上記のうち、「チェック業務」、「管理業務」、「アウトプット業務」、「分析業務」が決算早期化においては重要となります。

チェック業務の重要性

チェック業務とは出納業務やインプット業務を行った後に、経理部においては帳票類と入力仕訳に相違がないかどうかをチェックする業務であり、必ず実施する必要がある業務です。自動化されていない限り人間が行った作業である限り必ずミスが起こる可能性があります。このインプット業務の段階でミスが生じると、次工程以降、開示業務に至るまでミスが引き継がれることになるため、この段階でのチェック業務はとても重要となります。
チェック業務を徹底すれば、ミスを発見するだけでなく、不正の発見につながる場合があります。もし、このミスや不正が決算時や監査時に発見された場合、決算業務がその時点で中断してしまうことになります。日常業務レベルから人為的作業に対して第三者が必ずチェックするという体制を構築することは、内部統制上の観点だけでなく、決算早期化の観点からも重要となってきます。

管理業務の重要性

管理業務とは、入金管理、出金管理、債権債務管理、棚卸資産管理、固定資産管理、リース資産管理等のあらゆる管理業務です。この管理業務が甘い会社は、必ずといってよいほど(単体)決算が遅いです。例えば、毎決算ごとに、現金実査の結果と帳簿残高が一致しない、実地棚卸を行ったら帳簿と一致しないが原因がわからない、と残高調整に追われている会社は多いですが、このような会社は日常レベルでの管理業務ができていません。この管理業務はチェック業務と同様に、内部統制上の観点だけでなく、決算早期化の観点からも重要となってきます。

アウトプット業務の重要性

アウトプット業務とは、決算に必要な残高明細表等の資料や、開示に必要な増減明細や注記関連の資料の作成、会計監査を受ける為に必要な監査資料を作成する業務を言います。
決算早期化が実現できていない問題は、このアウトプット業務と次の分析業務が十分に実施できていないことにあるといえます。
多くの会社においてアウトプット業務が決算業務の仕組みとして落とし込めていません。
例えば、会計監査の折にまず決算時において会社が作成した決算資料一式を提出しますが、その際に会計システムから出力された試算表と勘定科目別の残高明細表しか提出されない会社が多く、それ以外の自社で作成した明細がほとんどなく、開示のための基礎資料もないことがあります。会計システムから出力された明細等しかないというのはアウトプット業務を行ったことにならず、インプット業務の延長にすぎません。このようなケースはアウトプット業務が決算業務の仕組みとして落とし込めていない例で、インプット業務に遡らなければ開示業務を行うことができないということになります。
このように、アウトプット資料がないあるいは少ない場合、決算業務の質が低下し、効率性も著しく悪くなります。決算業務の質を向上させ、決算早期化を図るためには、アウトプット資料の網羅的な作成は必須です
必要な決算資料が網羅的に作成されていない原因は、最終成果物(決算短信や有価証券報告書等)から逆算して、どのような明細を残さなければならないのか、開示基礎資料を作成しなければならないのか、を把握できていないことにも原因があると言えます。

分析業務の重要性

分析業務とは、財務分析を実施することです。会社が決算時に作成したアウトプット資料が検証不能であるものが多い場合、おそらくその会社は十分な財務分析を行っていないと思われます。
財務分析を行っているとしても、その分析結果を文書として残していないケースも多いです。
財務分析を行ってその結果を文書に残しておくことで、異常な増減の分析による誤謬の発見及び会計監査のスムーズな対応につながり、決算早期化に寄与することになります。

関連サービス

問題解決型・外資系経理アウトソーシング

米国公認会計士、英文会計・経理経験者が、経理業務のコスト削減を実現するだけでなく、管理業務全般の効率化を同時に実現します。

IFRS /米国基準の導入支援

欧米企業への経理支援や監査を通じてIFRS /米国基準の実務をよく知る公認会計士が中心となり、IFRS /米国基準の導入を全面的に支援いたします。